

河津今作、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム(FFCC EoT)』は『ファイナルファンタジー(FF)』の世界をDSとWiiで、一緒に「マルチプレイ」で冒険ができる世界初のタイトルです。そもそも『FFCC』シリーズは、1人でじっくりと重厚なストーリーを楽しむ『FF』シリーズとは対照的に、「ひとりでも、みんなでも遊べる ファイナルファンタジー」を作れないかという発想から誕生したシリーズです。2003年に発売した第1作目『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル(FFCC)』※1はGC(ゲームキューブ)とGBA(ゲームボーイアドバンス)を使って、2つのハードをつないでみんなで遊ぶという、新しい遊び方を実現したものでした。
紙山『FFCC』シリーズの歴史を振り返ると、1作目の『FFCC』では、GCとGBAの連動、2007年に発売した2作目の『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト(FFCC RoF)』※2では、DSの「ワイヤレスプレイ」で『FF』の世界をみんなで遊べる、というふうに、毎回新しいテーマを掲げて開発に取り組んできました。シリーズ3作目にあたる今作は、既にDSで作った2作目の『FFCC RoF』がベースにあったので、そのDSのマルチプレイをベースに新しい挑戦がしたいな、という流れで検討していたんです。
| 『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』: 2003年8月に発売されたニンテンドーゲームキューブ向けソフト。ゲームボーイアドバンスをコントローラとして接続したマルチプレイが可能。 | |
| ※2. | 『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト』: 2007年8月に発売されたニンテンドーDS向けゲームソフト。DSワイヤレス通信でマルチプレイモードをプレイできる。 |
紙山1作目の『FFCC』では、GCとGBAをつなげて遊ぶというのがテーマだったんですけど、みんなが1画面に入ってプレイしなければならないというハード上での制約があって、そこは開発後、少し残念に思っていたところでした。2作目の『FFCC RoF』では、ハードがDSになって、プレイヤーがそれぞれの画面を手に入れることができたので画面の制約にとらわれずにゲームのおもしろさを追求できたので、我々スタッフとしては、けっこうやりきった感があったんです。けれど、発売後、プレイヤーのみなさん、特に海外の方から、Wi-Fiで離れた人と一緒にプレイできないのか?とご指摘をいただいたんですね。
河津開発に携わっていると一緒に遊べる仲間がすぐ集まるんですが、一般の方はなかなかそうはいかないですよね。DSやWiiでも、ニンテンドーWi-Fiコネクションに対応したソフトがどんどん発売されていますし、最近ではインターネットの環境もかなり整ってきています。そうした状況を見ながら、『FFCC』もWi-Fiに対応した続編を作れないかというのが、『FFCC』開発チームに課題としてあったんです。そこで、本作の挑戦の第一歩として、Wi-Fi対応に取り組んだんですね。
紙山Wi-Fi対応にするというのは、実は大変な作業で、取り組む前はメモリーが1バイトも空かないんじゃないかと思っていたのですけれど、やればできるもので(笑)、仕様を削ることも、『FFCC RoF』のアクション性を一切損なうこともなくWi-Fiに対応できました。だったら、Wiiでも動かせるんじゃないか?という思いが芽生えてきたんです。
河津紙山が「Wi-FiでつながるんだったらWiiでも動かせるんじゃないか」と言い出して(笑)、ひとつの挑戦がさらにステップアップして、DSとWiiをつなげてみることになったわけです。
このような経緯から、今作は、DS版とWii版でまったく同じゲームがプレイできて、さらにWi-Fiで、DSとWiiが同時につながって遊べるということが最大の特徴になります。違うのは、
DS版でタッチペンを使う操作が、Wii版ではWiiリモコンを使ってプレイすることくらいで、遊び方としての違いはまったくありません。これまで同じ名前で出ていてもゲーム内容が違うマルチプラットフォームというタイトルはありましたけど、現世代の据え置き機と携帯機で、まったく同じ内容を一緒に遊べるタイトルはひとつもないんです。今作のDSとWiiで一緒のゲームをできるというのは、新しいプレイスタイルの提案になるんじゃないかと思います。
河津今作も従来どおりの『FFCC』の世界観で、クリスタルを中心とするファンタジー色の強い世界を舞台に、主人公がいろんな冒険をしていく中で家族愛や仲間同士の友情を描いています。
クラヴァット、ユーク、セルキー、リルティの4種族がいるところも、クリスタルが重要な役割を果たしているというところもこれまで通りです。
紙山シリーズ作なので、前作を遊んだ方がニヤリとできるというところも入ってますけど、基本は毎回、完全新作として作っていますので、今作から遊んでもらう方も楽しんでいただけるようになっています。
紙山お話の設定としては、1作目の『FFCC』と2作目の『FFCC RoF』の間のどこかの時代ということになっています。
主人公はその日16歳を迎え、村のしきたりに従って、成人の儀として森に試練を受けに行きます。魔物を倒して、クリスタルを手にした主人公が無事、村に戻ってくると、村の娘が病気で倒れてしまいます。その村には、村から出てはいけないという掟があるのですが、例外的に主人公は娘を助けるために、生まれて初めて外の世界へ旅立ちます。主人公がたどりついた考古学の都は、冒険者やトレジャーハンターが集まる街なのですけど、そこである事件が起きて…と、これ以上はネタばれになってしまうので言えませんが、スタートからハラハラさせられると思います。
河津ちなみに今回、主人公は固定されてなくて、
4種族の男女の中から好きなキャラクターを選べます。
紙山『FFCC RoF』はアクションが非常に小気味よくて、爽快感があって楽しいと多くの方に言っていただけたのですが、今作でも『FFCC RoF』に登場したアクションは基本的に全部できますし、さらにアクション性がパワーアップしています。装備に関しては、前作は強い武器に替えていくと最終的に全員が同じ装備になってしまって、せっかく装備替えがあるのにそこが活かしきれなかったのが反省点としてあったので、今作は、お気に入りの装備で最後まで冒険ができるように装備品のカスタマイズを充実させ、元々が弱い武器でも使い込んでいくことによって強くできるし、アビリティも付けられるようにしました。また、前作は種族で装備できる武器が決まっていたのですが、今作はどの武器でも持てるようにしたので、お気に入りのキャラクターにお気に入りの武器を持たせて楽しんでほしいなと思います。
河津『FFCC RoF』では、装備を変えるとキャラクターの見た目も変わるため、装備を着せ替えさせてキャラクターメイクができるというのがひとつのお楽しみ要素でしたので、今作も装備の新作をたくさん用意しました。1作目の『FFCC』で人気の高かった装備で『FFCC RoF』にはなかったものも多数取り揃えていますし、『FF』シリーズや『サガ』シリーズ※3を知ってるとニヤリとできる装備や、クスッと笑えるような装備など、
ちょっとしたおふざけ要素のものもけっこうあります。アクションと一緒に、キャラメイクもしっかり楽しんでもらえればなと思います。
| 『サガ』シリーズ:スクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたRPGシリーズ。 |
紙山前作の『FFCC RoF』は、シングルモードとマルチプレイモードの入口を完全に分けてしまったので、作り手側も2倍大変でしたし、両方遊べる環境にない方には、作ったものを100%楽しんでもらえなかったかなというのが反省点としてありました。それで今作は、『FFCC』シリーズのファンの方が期待してくれているストーリー性も踏まえつつ、マルチプレイで繰り返し遊んでもらえるように、モードはひとつにして、1人でお話を進めていくこともできるし、どのタイミングでも友達を呼んで、そこからマルチプレイでみんなと一緒にお話を進めていくこともできるというふうにしました。
河津今作は言わば、『FFCC』と『FFCC RoF』のいいところどりの集大成ですので、初代『FFCC』ファンの方も『FFCC RoF』ファンの方も、みなさんで楽しんでもらえるんじゃないかと。シングルプレイとマルチプレイは、村や街、ダンジョンなどに置かれている
セーブストーンを使って、いつでも好きなときに切り替えられます。マルチプレイにして「おまねき」を選べば、自分の遊んでる世界に仲間を呼べ、「おでかけ」を選べば他の人の世界に遊びに行けます。ちなみに、マルチプレイは前作同様、
最大4人で同時に遊ぶことができます。
河津今作は、マルチプレイがDSワイヤレス通信でもWi-Fiコネクションでも遊べるのですが、遊び方はどちらもまったく同じで、ワイヤレスでできることはWi-Fiでもすべてできます。
紙山ワイヤレス通信でのプレイは、まわりにみんながいるので直接声をかけあって進めることができるんですけど、離れてプレイするWi-Fiではそれができませんので、今回、プレイヤー同士が会話できるコミュニケーションツールを用意しました。マルチプレイ中は、サブ画面にコミュニケーションパネルが表示され、定型文が登録されたチャットツールが使えます。また、状況に応じて画面内にバルーンが飛んできて、その
バルーンをタッチするだけで、ショートカット的にメッセージを出すことができる機能も搭載しています。このバルーンはかなり使い勝手がいいんじゃないかと思います。
勿論、ともだちコードを交換した相手であればフリーワードでチャットすることもできます。
河津あと、これもコミュニケーションツールのひとつと言えるですが、今作では、Wiiで遊ぶ人は、
自分が作ったMiiをお面みたいに装備して、ほかのプレイヤーに見せることができるんです。これはWii版を買った人の特典って感じですね。
紙山今作はせっかくWi-Fiに対応していますので、世界の人とマルチプレイを楽しんでいただけるように、日本での発売から約1ヵ月の間に世界各国でも順次発売を予定しています。WiiとDSの同時発売だけでも大変なところに海外版も加わってとても大変でしたけど頑張って間に合わせました。ちなみに、対応する言語は、日本語以外に、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の5ヶ国語を予定しています。
河津Wi-Fiに接続して、マッチングの選択肢で、“世界中のだれとでも”を選ぶと、日本を含めて世界中のプレイヤーと遊べるようになっています。言葉の問題で、海外の人とプレイするのが億劫だなと思われる方がいらっしゃるかもしれないですけど、そういう心配はありません。チャットの定型文は、相手の言語に自動的に変換して送信されるので、一緒にプレイしている相手がアメリカやイギリスの人だったら、チャットで「こんにちは」を選ぶと、「Hello」になって相手に届きます。
僕らはテストで海外のチームともプレイをするんですが、お互い知っている者同士なので、全然知らない人とやるとどうなるか想像がつかないところはあるんです。海外の人と一緒に『FFCC』の世界をプレイできるのを我々も楽しみにしているんです。
紙山『FF』を遊んだことがあっても『FFCC』は遊んだことがないという方は、初めて『FFCC』をプレイするとアクションの軽快さにまず驚かれるかもしれないですけれど、まずはシングルプレイでストーリーを楽しんでいただけたらと思います。前作に引き続き、今作もフィールドにいろんな仕掛けをたくさん用意していますので、もしも1人で解くのが難しそうなマップが出てきたら、Wi-Fiにつないでみてください。そうしたら見ず知らずの仲間が助けてくれて前に進めるかもません。逆に困っている仲間のところへ助けにいったりもできます。
河津今作でマルチプレイの面白さを発見してもらえると嬉しいですね。逆に、『FFCC』を知らないけど「マルチプレイは面白い」と思っている方がいらっしゃるのであれば、ぜひプレイしてみてほしいですね。
河津今回、本作『FFCC EoT』の発売に合わせて、ニンテンドーDSiとゲームのDS版とがセットになった限定版のスペシャルパック『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム“クリスタルクロニクル エディション”』が発売されます。DSiホワイトの本体をベースに、今作のロゴに登場している猫のモチーフが印刷されています。世界初のオリジナルニンテンドーDSiなので、楽しみにしていただければと思います。前作も、ニンテンドーDS Liteで『FFCC RoF』エディションを出したのですけど、そのときは本体の印刷がモノクロでしたが、今度はカラーになっている分、そこも進化しているかなと。
紙山印刷の発色のあざやかさが印象的だと思います。実物は想像をこえるきれいな感じで、すごく気に入っています。また、シンプルで飽きの来ないデザインですので男女や年齢を問わずお使い頂けると思います。
紙山前作『FFCC RoF』の時点で「ここまでやるか」と皆さんからお褒めの言葉を頂きましたが、今回はそれを上回る仕上がりになっています。ストーリー展開も見ごたえがあるので、1人でじっくり楽しんでいただいてもいいし、マルチプレイでみんなでお話を共有しながら、一緒に驚いたり、感動したりしてもらえればなお楽しんで頂けると思います。今回、『FFCC』をWi-Fiで初めてプレイできるということで、開発スタッフは、みなさんとプレイできることをすごく楽しみにしてますので、ぜひWi-Fiでお会いしましょう。
河津今作は、『FFCC RoF』よりもはるかにパワーアップしていて、マルチプレイも面白いですし、アクションもより派手になっていますので、これまでシリーズを遊んだことがない方は今作が始めどきではないかと思います。DS版とWii版のどちらを買おうか、悩まれる方も中にはいらっしゃると思いますけど、それぞれのプレイスタイルによって選んでいただければと思います。手軽に外でもみんなで遊びたいという方はDS版、大きい画面でじっくり腰を据えてプレイしたいという方はWii版で遊んでもらうといいんじゃないでしょうか。
Wii版はゲーム中いつでもどこでも画面を拡大したり縮小したりできますしね。これによって、イベント時にはメイン画面を大きくしたり、チャットなどではサブ画面を大きくしたりといつでもお好みの設定に変更できます。
また、Wii版を買われる方には耳寄り情報があります。Wii向けタイトルとして発売を予告している『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルべアラー』※4の特典映像が収録されています。発表以来、続報をお届けしていなかったので、「どうなっているのかな?」と思っておられる方も、特典映像を見ていただけると、いろんな意味で「オーッ」と言っていただけるんじゃないかと思います。
DSでも、Wiiでも、また、シングルプレイでもマルチプレイでも、『FFCC』の世界を思う存分楽しんでください。
| 『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー』:スクウェア・エニックスから発売が予定されているWii向けソフト。 |
河津 秋敏
かわづ あきとし
スクウェア・エニックス
エグゼクティブプロデューサー
1962年、熊本県生まれ。1985年にスクウェア(現:株式会社スクウェア・エニックス)に入社。プランナー、ディレクター、プロデューサーとして『ファイナルファンタジー』シリーズ、『サガ』シリーズをはじめとする数々のタイトルの制作に携わる。2002年からスタートした、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』シリーズでは1作目からプロデューサーとして制作に携わり、2作目の『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト』、本作『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム』ではエグゼクティブブロデューサーを務める。現在、Wiiをプラットフォームとする『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー』の開発を進めている。
紙山 満
かみやま みつる
スクウェア・エニックス
ディレクター
1973年、石川県生まれ。2000年にスクウェア(現:株式会社スクウェア・エニックス)に入社。『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』のメインプログラムを担当。『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト』と、本作『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム』ではディレクター兼、メインプログラマーを務める。本作において、ニンテンドーDSとWiiのクロスプラットフォームを可能にしたPolluxEngineを開発する。
| ジャンル | : | アクションRPG |
| プレイ人数 | : | 1~4人 |
| 価格 | : | 5,040円(税込) |
| 発売日 | : | 2009年1月29日 |