

河津今作『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー』は、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』(『FFCC』)シリーズ※1の新作です。『FFCC』シリーズの歴史をひも解くと、親しみやすく誰でも楽しめる『ファイナルファンタジー』(『FF』)※2は作れないだろうかという声をきっかけに生まれたのが、このシリーズなんですね。今作を制作するにあたっては、Wiiで遊ぶ、誰もが楽しめる『FF』とはどういうものなのだろうか、と改めて考えました。そこで、自分が22年前にファミコンで『FF』を作ったときの原点に立ち返って、「今、自分が『FF』を作るとしたらこうなる!」というものを目指したものが今作です。その結果、“これがWiiのファイナルファンタジー”と言える作品に仕上がったのではないかと思います。2006年のE3※3で、今作を発表してからずいぶんお待たせしてしまいましたが、今は早くみなさんにお届けしたい気持ちでいっぱいです。
| ※1. | 『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』シリーズ: 2003年8月に第1作が発売。以後、現在まで5タイトルが発売されている。 |
| ※2. | 『ファイナルファンタジー』シリーズ: 1987年に第1作が発売され、現在もタイトルを重ねているRPGゲームシリーズ。 |
| ※3. | E3(イースリー):Electronic Entertainment Expo(エレクトロニック エンターテイメント エキスポ)の略称。アメリカ・ロサンゼルスで開催されるコンピューターゲーム関連の見本市。 |
河津『FFCC』シリーズというのは毎回新しいことに挑戦しているんですが、今回の挑戦のテーマはズバリ、遊ぶ人を制限しないこと。普段はゲームを遊ばれない方にも積極的に遊んでいただける『FF』を作ろうということなんです。『FF』はゲームを通じてドラマを語っていく作品なので、『FF』ならではのドラマティックな物語世界を、Wiiでのプレイを通じて体感していただけるものを目指しました。そういう意味で、今作は冒頭から物語の世界にぐんぐん入り込んでいけて、プレイして理屈抜きに「おもしろかった!」と言っていただける勢いのある作品になったと思います。
板鼻プレイヤーがひとつひとつプレイを積み重ねながら物語を進めていくRPGの『FF』に対して、『FFCC』シリーズはもう少し体感的なアクションを通して壮大な世界と物語を読み解かせるのが特徴です。そこで今回、Wiiならではの『FF』を作る新たな試みとして、『FF』の世界を体感できるひとつの大きな遊び場を作ろうと考えたんです。従来ならバトルをするところ、街で情報を求めるところ、或いはステージだったり、エリアの区切りだったりという切り分けがあるところを、すべての垣根を取り払った「オープンフィールド※4」にし、さらに、フィールドのいろんなものをWiiリモコンでさわれるようにして、プレイヤー自身が世界を自由に歩き回って好きな遊び場所を発見できるようにしました。
河津特に今回こだわったのは“さわる”という部分です。Wiiリモコンを使ってプレイヤーの方にどうやってさわらせるかというところから、物をつかんだときの感覚をどうやって表現するかという手ざわり的なところまで、開発にはかなりの時間を割きました。
このオープンフィールドというコンセプトとWiiリモコンでふれるということが今回とてもマッチして、今、新たに『FF』を作るとしたらこういう形になるんだというものを表現できたように思います。
| ※4. | オープンフィールド:自由に動き回れるフィールド。 |
河津今作はこれまでの『FFCC』シリーズと同様、クラヴァット、リルティ、セルキー、ユークという4つの種族がいて、クリスタル※5が重要な役割を果たしている世界のお話です。シリーズの時間軸でいうと、これまでのタイトルのずっと未来で、『FFCC』史上、もっとも技術力の進んだ時代になります。
物語は、シリーズでおなじみの飛空艇※6のシーンから始まります。空を飛ぶ新造豪華客船アレクシス号が初飛行をするというので、タイトルにもなっているクリスタルベアラーであるところの主人公の青年「レイル※7」と相棒の「クァイス※8」は護衛の任に就いています。ところが、その豪華客船がいきなり魔物に襲われ、客船の動力源に使われていたクリスタルを奪われてしまいます。実はその魔物を操っている黒幕がいることから、その正体はなんなのか、そもそもレイルというクリスタルベアラーの存在とは・・・という謎が冒頭からいくつも出てきて、プレイヤーのみなさんはその謎を主人公レイルと一緒に追いかけていくことになります。
| ※5. | クリスタル:『FF』シリーズ、『FFCC』シリーズに登場する、未知のエネルギーを秘めた物体。 |
| ※6. | 飛空艇:『FF』シリーズに登場する空を飛ぶ乗り物。 |
| ※7. | レイル:クラヴァット族の青年。 |
| ※8. | クァイス:セルキー族の青年。 |
板鼻改めて『FFCC』シリーズに登場するクラヴァット、リルティ、セルキー、ユークの4つの種族を紹介すると、世界で一番人口が多いクラヴァット族は朴訥(ぼくとつ)で控え目、平和を愛する人たちです。リルティ族は武の民で行動的な性格をしています。今作では、リルティ族はクリスタルから世界のあらゆるものを動かす動力を開発し、掌握することによって世界の覇権を握っています。セルキー族は自己中心的というか自由奔放な性格で、自由な暮らしを謳歌しています。そして、ユーク族ですが、これまでのシリーズでは魔法を操る智の民として描かれてきましたが、今作の設定では、過去にリルティ族との間に繰り広げられた戦争で種族の存亡に関わるクリスタルを破壊されたために滅んでしまい、この世界に存在しないことになっているんです。
河津実は、
冒頭のシーンで魔物を操っているのは1人のユーク族で、存在しないはずのユーク族がなぜこの世界に再び現れ、クリスタルを奪ったのか?というところで、その登場が大きな謎としてこの物語を牽引していくんですね。
河津今作の主人公レイルはクラヴァット族の青年で、先ほども少し触れましたが、クリスタルベアラーと呼ばれる存在です。世界でも数少ない存在であるクリスタルベアラーは、身体の一部がクリスタル化しているのが目印になっていて、レイルの場合は、右の頬がクリスタル化しています。
『FFCC』シリーズにおいて力の象徴であるクリスタルを身体に帯びているクリスタルベアラーたちは、常人にはない魔法を操る特殊な能力を持っているという設定です。
板鼻クリスタルベアラーはそれぞれに持っている能力が異なるんですね。例えば、レイルが持っている特殊能力は
引力を操る力で、その力を使うことで、物を引き寄せたり、反対に物を弾き飛ばしたりできるんです。さらに、その力を周囲のものに作用させることによって自分自身が大きく跳躍することもできます。レイルは、街にある物や人を好きなようにさわっていじることができますが、あまり自由勝手にやりすぎると、とんできた警官に叱られることになります(笑)。
河津実は、この世界にはクリスタルベアラーを取り締まる法律があるんです。なぜそんなものがあるかというと、かつて自分の特殊能力を悪用するクリスタルベアラーが大勢いたからなんですね。その法律のおかげで、悪いクリスタルベアラーの活動は抑えられましたが、それでも普通の人々にとってクリスタルベアラーはちょっと怖いような存在なんです。
河津魅力的なキャラクターたちが登場する今作でヒロイン的存在となるのは、主人公レイルの前に現れてはトラブルのきっかけを作っていく
セルキー族の「ベル※9」です。情報の取引を商売にしている彼女は、客船アレクシス号にネタ探しのために密航し、肌身離さず持ち歩いているカメラで撮影するのですが、そのとき撮った写真が原因でレイルを騒動に巻き込んでいきます。
今回、シナリオはかなり試行錯誤しまして、1年近くああでもないこうでもないとやっていたのですが、何度も書き直す中で役回りが一番変化したキャラクターは彼女じゃないかな、と思います。途中、悲劇のヒロインだったこともあるのですが、最終的にはセルキー族らしい自由奔放に生きる活動的な女性として描かれています。
板鼻もちろん、『FF』シリーズで忘れてならないキャラクターの、
「シド※10」も登場します。今回のシドの役回りはリルティ族の一員で、リルティが世界を統べる元となった動力・魔晶機関※11の開発者です。今は第一線から退いて自分の好きなことを研究している彼は、主人公レイルを助ける存在になります。ちなみに今回のシドはリルティ族の中でもかなり異質なデザインに仕上がっているのですが、そうなったのはシナリオに「玉ねぎリルティ」という台詞があったからで、そこからイメージしていった結果です(笑)。最近の作品のシドはスラッとしたスタイルで描かれることが多かったのですが、今作は頭身的には『FF』の初期作品でお馴染みのシドの雰囲気に近い感じになったので懐かしく思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
| ※9. | ベル:セルキー族の女性。 |
| ※10. | シド:『FF』シリーズのほとんどの作品に登場するキャラクター。外見や設定は作品によって異なる。 |
| ※11. | 魔晶機関:クリスタルの持つエネルギーを抽出した動力機関。 |
河津『FFCC』シリーズのこれまでの作品はジャンルとしてはすべてアクションRPGに分類されますが、今作はジャンル名を「アトラクション・アドベンチャー」としています。聞き慣れない言葉で、これはどういう遊びをさせるゲームだろうと思われた方も多いのではないでしょうか。
アトラクションというのはレイルが特殊能力として操ることのできる引力(=attractive power)を表しています。引力を使って冒険を進めていくということでアトラクション・アドベンチャーとしたわけです。アトラクションと聞いて、テーマパークのアトラクションという意味にとられた方もいらっしゃるのではないかと思いますが、それも間違いではありません。このゲームは全体がひとつの遊び場、
テーマパークのようになっていて、アトラクションを楽しむようにいろんな楽しみがいっぱい詰め込まれています。ですから、アトラクション・アドベンチャーには、引力を使って冒険するという意味とテーマパークのアトラクションのようなゲームだという二重の意味があると受け取っていただければと思います。
板鼻今作でアトラクション・アドベンチャーらしさが最も現れているところは、レイルが引力を操る力をフィールドで使ったときに、
ゲーム内の世界がいろんな反応を返すところです。例えば、レイルが街で引力を操って物を動かしたりすると、それを見た街の人たちは驚いたり、女性たちがハートマークを出して追いかけてきたり、ときには怒ったりします。そういった様々な反応を見て楽しんでいただきたいなと思います。
河津フィールドのものがさわれるということにこだわった今作は、すべての操作をWiiリモコンとヌンチャクで行います。主人公レイルが引力を操って物を動かそうと思ったら、動かしたい対象をリモコンでポインティングし、ロックオンしてから動かすというように、操作は直感的で、誰でも簡単にアトラクションを体感いただけると思います。ただ、シーンによって、その力の使い方はいろいろ変化するので工夫は必要なんですね。例えば、足場のないところを天井のオブジェクトにぶらさがって跳んでいったり、パズルのような仕掛けを動かしたりといった具合に、あたかもテーマパークのアトラクションをめぐりながら、いろんな遊びを楽しんでいるような感覚を味わっていただけるのではないかと思います。
実は開発に入る前は、操作がここまでWiiリモコンの特徴を活かす形になるとは我々も思ってもみませんでした。初期の段階では特にWiiリモコンを意識した操作方法にはしていなかったのですが、テストで動かしていく中で、プレイに集中できるようにとボタン操作などをどんどん省いていった結果、Wiiリモコンの特徴に特化して操作する現在の形に落ち着きました。
完成した作品を見ると、Wiiというハードはまさにこの作品を作るためにあったのではないかと言えるくらいのものが作れたのではないかとひそかに自負しています。
河津アトラクション・アドベンチャーという新しい遊び方の主人公になるレイルは、ヒーロー然として、「俺に任せろ!」が口癖の、多少のことには動じない青年として描かれています。この大人っぽい雰囲気の人物を主人公にしているところは、今作がこれまでの『FFCC』シリーズの雰囲気と大きく違うところです。実は今回、最初から強いヒーローを描こうと決めていて、「ヒーローとはどういう存在なのか」「自分たちがプレイしたいヒーローとはどんな人物なんだろう」というところを突き詰めていったわけです。魅力的なヒーローというのは単純な正義の味方では決してないはずで、能力があるだけにおそらく自信満々で恐れを知らず、自分の生きたいように生きていて、それでも、いざというときは周りの人間を守って、悪い奴をこらしめてくれるだろうと。これぞまさしく少年漫画を読んで育ってきた我々が望むヒーロー像で、それを主人公に落とし込んだらレイルというキャラクターになったという感じです。レイルを通して、プレイヤーの方はヒーローになりきって、『FF』の真髄であるドラマや世界観を体感していただきたいと思います。
板鼻ちなみに、レイルは外観も従来のヒーロー像と比べるとかなりラフな雰囲気です。これは、お話が冒険活劇的なのであまりキメすぎない主人公のほうが大暴れもしやすいだろうと考えたからで、Tシャツを着るなどファッションも含めて肩の力の抜けている感じもありながら、やるときはやる、女の子にもてもてというよりも男が頼れる男を思い描いてデザインしました。
板鼻今作はオープンフィールドということで、街で情報を集めるところと戦うところの区別がなく、街にいる人たちとコミュニケーションをとるのも魔物と戦うのも同じ操作方法で遊べます。ただし、魔物が街の人たちと決定的に違うのは、魔物は必ず主人公を襲ってくるということです。だから、魔物と遭遇した主人公はなんらかの対応を迫られます。その対処の仕方として、あっさり倒してしまうのか、それとも魔物をじらしてなんらかのリアクションを引き出すのかといったふうに、魔物に対するアプローチの選択肢が多いのが今回のバトルの最大の特色です。
河津バトルというと、とにかく敵と戦って倒すのが目的となりがちですが、今作のバトルは魔物を倒すことが目的というよりも、魔物と一緒に戯れてもらうというところを目指して作っています。魔物は必ず襲いかかってくるのですが、いっぺんに倒してしまうのではなく、プレイヤーのみなさんにはぜひいろんな行動を試して、
魔物からいろんなリアクションを引き出していただきたいです。極端な話、攻撃を受けて一度ダウンをしてみるというのもありです。ダウン中は攻撃されてもダメージを受けないので、のんびり寝転がって魔物たちがその間どういう行動をとるのか眺めていると、ダウン中にしかやらないリアクションが見られるかもしれません。
また、魔物だけでなく人や物などからも様々なリアクションを引き出すことで、
発見の証となる「勲章」が手に入ります。勲章の数は三百数種類程用意しています。リアクション自体もかなりこだわって作ってありますので、ぜひいろいろなアプローチを試して見つけていってほしいですね。
板鼻普通、アクションゲームの主人公は剣や銃といった武器を使って戦うのですが、今作の主人公レイルは武器を常に持ち歩くのはヤボだと考えるようなキャラクターで、代わりに彼の持つ特殊能力でその場の物を武器にする、すなわち
引力を操る能力を駆使して魔物と戦います。
戦い方としては、魔物を動かして壁や地面に叩きつけたり、魔物どうしをぶつからせたり、フィールドにある物や捕獲した魔物自体を武器代わりに使ったりします。大きな魔物には魔物のアクションに対応した効果的な攻撃方法を探しだしたりと、クリスタルベアラーらしく、魔物をどうやって倒していくか工夫を凝らしていくところも今作のバトルの醍醐味ですね。さらに、この世界には突然フィールドに出現して魔物を生み出す「瘴気ストリーム※12」という現象があるのですが、
レイルがエリア内の魔物をすべて倒し、瘴気ストリームを引力の力で封じてフィールドに平和を取り戻すと、ご褒美としていろんなアイテムを入手することができるんです。
河津ご褒美にはいろいろ種類があって、その中には主人公のレイルを強化する素材となるアイテムもあります。その素材をいろいろ集めて合成すると、レイルの引力を操る能力をカスタマイズできるイヤリングやアミュレットといったアクセサリを作ることができるんですね。例えば、接近戦で戦うのは難しいような魔物だったら、引力の射程距離を伸ばすアクセサリを付けて離れたところから敵をいじってリアクションを引き出すといったように、やりたいことに合わせてアクセサリを付け替えれば、それぞれの魔物に対して最善の戦い方を選択することが可能です。そういった意味で、アクセサリはひとつの成長要素と言えるでしょうね。
| ※12. | 瘴気ストリーム:魔物を生み出す原因不明の現象。 |
河津今作は制作前から、プレイシーンもイベントシーンもハリウッド映画の超娯楽大作みたいに楽しくて爽快感が得られる作品にしようというコンセプトが明確にありました。というのもWiiは大抵リビングルームに置かれていると思うので、プレイしている人とそれを見ている人との間でコミュニケーションができたらいいなと思ったんです。リビングの大画面のテレビで誰かがプレイしているのを周りにいる家族が他のことをしながら眺めているというのは、どこのご家庭でも見られる光景だと思うんですね。そのとき、ゲームをプレイしている人は当然楽しいわけですが、横で見ている人も「この先はどうなるの?進めて進めて!」みたいな感じで楽しんでいただきたいということで、エンタテインメント性をかなり意識して、物語も明るく楽しい雰囲気のものになるように心掛けました。逆に言えば、一番最初にそういうコンセプトがあったからこそ、レイルのような痛快なヒーローキャラクターが生まれたと言えるかもしれません。
板鼻今作では
イベントシーンがそのままゲームをプレイするシーンにつながっていくことが多いのですが、そういうシーンの前には操作のアイコンを画面に出して「ここからはヒーロータイムだよ」ということが分かるような演出にしています。それを見ることで、プレイヤーの方は気持ちが高揚して、より主人公になった気分でゲームプレイに挑戦していただけるのではないかと思います。
河津僕が個人的に好きなイベントシーンはいくつもあるのですが、例えば、物語の序盤で、
レイルとユーク族のアミダテリオン※13が遺跡で対決するのですが、レイルが「お前には、借りがあったからな!」と言って柱をズガーンと落とすところが好きですね。そこでレイルのすることは普通のヒーローなら決してとらない行動で、そこは敢えてそうさせているのですが、ご覧になった方は意表をつかれるのではないかと思います。もうひとつ、ラスト近くで、シドが「こっちの武器はお前だけじゃ」と言うシーンがあるのですが、声優さんの演技が素晴らしくて何度見てもとても楽しめます。自分がシナリオを書いていたときには、あそこまで楽しい感じになるとは想像していなかったですね。
板鼻イベントシーンもエキサイティングなシーンが多くおすすめですが、僕が好きなのはレイルとクァイス、レイルとシド、レイルとベルといったように、
主人公と誰かが2人で会話しているシーンです。時間的には長くはないのですが、それぞれの個性が生きた台詞を言っていて、キャラクターの魅力や人となりを伝えるという意味では良いシーンになっています。こういったシーンは、じっくり絵を見せられて色彩的な演出もけっこう加えているので、そういうところも注目して見ていただければと思います。
| ※13. | アミダテリオン:この世界にただ1人、出現したユーク族。 |
河津今作は2006年のE3での発表から、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム』※14のWii版の特典映像で少し紹介はしたものの発売までけっこう時間がかかってしまいましたが、じっくり時間をかけさせていただいた分、“Wiiのファイナルファンタジー”と呼ぶにふさわしい作品に仕上がりました。ちなみに今作はローディングタイム※15の長さを極力感じさせない作りにしているので、ゲームの世界に自然に入り込めて、プレイにも純粋に集中していただけると思います。プレイヤーの皆さんにはぜひヒーローのレイルになりきって『FF』らしいクリスタルベアラーの世界を冒険していただきたいですね。
板鼻今作で試みたオープンフィールドとWiiリモコンでさわるというコンセプトがとてもマッチして、今、Wiiで『FF』を作るとしたらこういう形になるんだというもの、つまり僕らが目指したドラマ性と、プレイしていただけるみなさん自身の遊び場を発見できるオープンフィールドという作りが表現できたと思います。できあがったものを自分で遊んでいても、こんな場所がこんなところにつながるのかという驚きがたくさんあって、まるで隠れ家を探索してるようなワクワク感があるんですね。それだけでなく、バトルでも、一度戦ったことのあるモンスターを再度倒しに行って、以前とちょっとだけ違う行動をとるだけでまったく違うリアクションが返ってきたりして、新しい発見がとにかく多いゲームなので、一度ゲームをクリアしてからも、この世界をいろいろ探検していただきたいです。むしろ2周目からの、ストーリーを楽しんだあとのフィールドの探検が遊びの本番と言えるくらい仕込みをたくさんしてあるので、クリスタルベアラーの世界という大きな遊び場で思い切り遊んで、いろんな発見をぜひ楽しんでください。
| ※14. | 『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル エコーズ・オブ・タイム』:2009年1月にスクウェア・エニックスから発売されたニンテンドーDS用・Wii用ゲームソフト。 |
| ※15. | ローディングタイム:読み込み時間。 |
河津 秋敏
かわづ あきとし
スクウェア・エニックス
プロデューサー
1962年、熊本県生まれ。1985年に株式会社スクウェア(現:株式会社スクウェア・エニックス)に入社し、プランナーとして『ファイナルファンタジー』、『サガ』シリーズなど数々の作品のプロデュースとディレクションを手がける。さらに、2002年発売の『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』にプロデューサーとして携わり、以後、シリーズ作品のプロデュースを手がける。今作ではプロデュースだけでなくシナリオも担当する。
板鼻 利幸
いたはな としゆき
スクウェア・エニックス
ディレクター、アートディレクター
1971年、東京都生まれ。1998年、株式会社スクウェア(現:株式会社スクウェア・エニックス)入社。『ファイナルファンタジー』シリーズのキャラクター・チョコボ関連作品のイラストを手がけるとともに『ファイナルファンタジー』シリーズのキャラクターデザインも担当。『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』シリーズではほとんどの作品でキャラクターデザインを担当。今作ではアートディレクター兼ディレクターとして制作指揮も執る。
| ジャンル | : | アトラクション・アドベンチャー |
| プレイ人数 | : | 1~2人 |
| 価格 | : | 7,340円(税込) |
| 発売日 | : | 2009年11月12日 |